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HARADAプライベイト

見ろ、あれが俺らが探していた両国国技館だ。見ろ、あれが俺らが憧れた力士だ。見ろ、あれが俺らが恋い焦がれたちゃんこ鍋だ。みろ、あれが俺らが求めていた力士の(やけに美人な)嫁だ。

伏線のようなものが気になる昔話のようなもの

むかしむかしあるところに大きなコブのあるおじいさんとやけに知恵の多いおばあさんが2人で暮らしていました。

 
 
 
8月の暑い昼下がり、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に向かいました。
おじいさんが根元の光る竹の横を通り過ぎた頃、洗濯に夢中になっていたおばあさんは目の前を大きな桃がどんぶらこと流れていったことにも気づくはずもなく。いつもの日常も流れていきました。
 
 
 
 
12月の雪が降り積もる、凍えるような夜、おじいさんは仕事から帰る途中でした。おじいさんの本職は笠売り、この日はあまり売れ行きが良くなかったようで、何枚も余った笠を持ち帰りながらの帰宅です。途中、ふと気づくとお地蔵さんが寒そうに並んでいました、優しいおじいさんはこれは寒かろうと、なんと余った笠を雪が積もらないようにとお地蔵さんへかぶせたのです。なんと優しいおじいさん。
 
しかしこの日はそれだけではありません、もうすぐ家に着くかというところ、おじいさんは罠にかかった鶴を見つけるのです。これは痛かろうと、鶴の足に挟まれた罠を外し、その鶴を家へと連れて行き、大事に治療しました、なんと優しいおじいさん。
 
数日たつと、鶴も元気になりどこかへ飛び立ちました。翌日、女性がおじいさんの家を訪ねてきましたが、おじいさんはセールス訪問と思い、追い出しました。というかつまみ出しました、おじいさんはセールス訪問がとても嫌いなようです。
 
 
 
 
春の入り口、まだまだ寒さの残る頃、おじいさんとおばあさんの2人の家に新しい家族がやってきました。それは隣のいじわるなおじいさんの飼っていた犬です。
 
いじわるなおじいさんのいじわるによって、ボロボロになっていたことを見かねたおじいさんとおばあさんが、2人で飼うことをいじわるなおじいさんに提案し、飼うことになったのです。
 
2人のもとに来た時は茶色い柴犬のようだったのですが、2人で綺麗に洗ったりすることにより、真っ白な犬だったということがわかりました。2人はこの犬の名前をシロと付けました。
 
シロはおじいさんとおばあさんにとてもなついて、ある日、おじいさんといっしょに芝刈りに行った時にとある木の根元の土をガリガリと掘り始め、キャンキャンと鳴き始めました。まるでここ掘れと言わんばかりに、しかしおじいさんは落ち着きのないシロを「静かにしなさい!」と一喝します。怒られたシロはしょんぼりして1人どこかへ行ってしまいました。
 
急にいなくなったシロの悲しみで途方に暮れていたおじいさんとおばあさんですが、後日きびだんごを持った青年と出会ったという話を聞き、たいそう安心したそうな。
 
 
 
めでたしめでたし