ハラダプライベート

まっこと愉快なプライベート空間

ノウ残業デイ

本日の業務終了、他の人残業のため気まずくて残業のフリ。

モクモクと煙が漂う、コウハイがまたタバコを吸ってる。時間外なんだからタバコ吸ってる暇があれば早く帰ればいいのに。

しかし、みんな残業が好きだ、さっき会社の掲示板で今日はノー残業デーだと知った。

隣にはタバコを吸い終わり鼻息荒く残業するコウハイ。

辺りには通常運転で残業するドウキにセンパイ。みんな気持ちはハイである。

さて、早く帰りたい、帰りたい、早く、早く。l

私の業務は終わった、さて、帰るだけだ、さあどうする。

先に帰れるが、気まずくてだんだん体が小さくなる、だんだんと小さくなる、マウスのクリックも両手でするほどだ、もっと小さくなる、キーボードの「a」から「p」まで軽く走らなくちゃいけない。そんなに小さくなってる。

遠くで人の呼ぶ声が聞こえる、おーい、おーいと私を呼んでいる。

あ、ブチョウだ。ブチョウが俺を呼んでいる、向こうの向こうの席から俺を呼んでいる。

俺はブチョウの元へ向かう、しかし、小さくなった俺からすればブチョウへの距離は遠い。俺は激怒しそうになった、フルマラソンか?あまりに遠い、俺は猫ひろしか?いや違う、走れども走れども、ブチョウの元へはたどり着かない、途中で山賊にもあった。今日は厄日か。。

やっとブチョウの元へ着いた、だかブチョウが見当たらない、どこだ?私は一生懸命に探した、するとブチョウが見つかった。なんだ、キーボードの「b」と「u」の間の「h」の上にいるじゃないか、まさかブチョウの「bu」の間に立ったってか?偶然にしては悪質な皮肉だ。

なるほどブチョウも早く帰りたいんだ、一目見てすぐにわかった、どう見ても小さい、小さすぎる。部下に仕事を押し付けて自分は帰るんだ、それはそれは小さくなるだろうなぁ。

俺がmm単位で小さくなって向かった時、ブチョウはミクロの世界だった、ブチョウはμmの世界で戦っていたんだ、自分の早めの帰りを確保するために、どうせしょうもない飲み屋に行ってしょうもない部下の愚痴を言うだけなんだろうけどな。

キーボード山脈から見つけた小さなブチョウはあまりにも小さく、なおさら早く帰ったほうがいいと私は思った。私もしかるべきミクロマン

さて、ブチョウから受け取った無駄な残業を持って少しだけ大きくなった体の私は絶望を味わうこととなる。

戻ればコウハイ、なんという熱意。彼は長袖のシャツを捲り上げまくって上腕二頭筋の真ん中より少し上まで捲っている。もはや半袖、半袖着てこいや、今はクールビズ。そんな彼、鼻息は荒い、とにかく荒い、近くの書類はふきとんで、そんな書類はなんのその、吹き飛ぶ風に身を任せ、抜けた仕事は私がショリショリ、バカなコウハイを持ったもんだ。

しかしそんなコウハイ、今日はやる気に満ち満ちて、まるで屋久島の屋久杉のよう、どっしり構えて今日は帰りませんよの表情、いやいや今日はノー残業デー。

屋久島行きたいなーなんて思いを馳せつつ、少し想像に身を任す。。。

屋久島の屋久杉かー、いやーどっしりしてんだろうなー。とは言っても最近ではただの観光スポット、樹齢2000年よりもバカな観光客はその存在感とパワースポット感に酔いしれているだけ、屋久杉本人からすれば困ったもんだ、別に彼はぱパワースポットであることなんか望んでない、ただそこに存在するだけだ。

そんな彼もたまには呑みたくなる、あまりにひどい観光客のせいで、観光客どもは日暮れだと暗くなってしまうと俺を見るなりなんとなくハアーとか言ってなんとなく何かを感じた気になる、まるで自分が木になる的な感じか?ふざけるな、こんな感じで森の秩序を乱すのは俺なのか?俺は「屋久」病神なのか?笑

とかいう。彼は冗談が好きだ、そして今の今しか生きることのできない人間になど全く興味を持っていない。

そんな彼もストレスは溜まる、かの俳優の様に女性を暴行したくもなる、でも彼はそれをぐっとこらえ、行きつけのバーへ行く。そのバーは昔からあるバー、人間にはいけないバー、人間が見つければ、行けば死ぬバー。

夜な夜な彼は不満をこぼす、人間のこと、これからの自分のこと、その愚痴は全てバーの排水口へと吸い込まれる。。

吸い込まれた愚痴はその先の下水道に流される、その愚痴を下水道のネズミたちが拾う、彼らはその愚痴を寝かして発酵させる、発酵させた愚痴でできたものは彼らの中でば「愚チーズ」などと呼ばれ、彼らの中で最も大事なもの、美味なものとして扱われる。なんせ一回にできる愚チーズは彼らネズミの100匹の一生分の量とされている、彼らも必死だ、どうにかしてそれを獲得しようとする。

発酵の時にはいろんなものが蒸発して軽い湯気が出る、その湯気とコウハイのタバコの煙が混じり、この上なくまずい煙というか水蒸気が生まれる。

 

やっと帰れる、みんなよりも早めだ、定刻は17:30

現在時刻23:30、みんな、お疲れ様。