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HARADAプライベイト

見ろ、あれが俺らが探していた両国国技館だ。見ろ、あれが俺らが憧れた力士だ。見ろ、あれが俺らが恋い焦がれたちゃんこ鍋だ。みろ、あれが俺らが求めていた力士の(やけに美人な)嫁だ。

まどろまどろっこしいけど大好きな中華料理屋

AM11:00

中華風創作料理屋の入り口にかけられていた「ただいま真心込めて準備中」の看板がひっくり返り「ただいま真心こめての準備を終えて営業中」というまどろっこしい看板に惹かれて店の中へ、メニューと言う名の「おしながき」を読めば、日替わりメニューがずらりと並んでいる、がしかし今日は日曜日、平日の昼にしか日替わりはやっておらず、単品で頼めば日替わり定食よりも高くなるのが中華料理屋、いや中華風創作料理屋の不思議。人体よりもはるかに不思議展を開いてほしいものである。

雑によそわれたチャーハンの味は悪くなく、塩加減は絶妙。具材もよく見れば丁寧に刻まれており、ニンジンなんてキレイな立方体である。それぞれの面にそこにいる人の名前を刻印して転がして、でた名前の人が面白いはなしをするもよし、博打をするもよし、さながらそこはカジノか?いや、中華風創作料理屋である。

ミニチャーハンを食べ終えるころに大変おまたされてでてきた担々麺をおがむなりノドをゴクリと鳴らす。そのゴクリが鳴り終える頃には中国出身であろう店員は奥の厨房へ戻り、今後一生聞き取れないであろうランゲージを同郷の仲間と交わしてヘラヘラしている。そんな究極の身内ネタをよそに左手に持つレンゲはスープと言う海の中へどっぷり浸かった。滞在時間はコンマ3秒、口が待ちきれんとあまりにせかすのでレンゲは早風呂、長風呂にはもともとむかないからよかったのだけれど。

右手の箸は英語でいうとチョップスティック、なんだかカワイイ。そんなカワイさを尻目にズンズンと麺たちを捕まえて高々と麺たちをスープの海から救出する。安心した麺たちはまだスープの濃厚な味たちを携えてそのまま口の中へと運ばれ、安らかに眠る。

古びた店のわりにやけに立派なレジスターがガシャンと下品な音をたてておつりを出すために扉をひらく、中にはそれぞれの小銭がきっちりと分けられていて、おつりの320円を中国出身のお兄ちゃんが器用に指ではじくようにピッピと取り出す。たまに計算を間違えてもそれはご愛嬌。

「担々麺辛かった?」とお決まりのフレーズをにやにやしながら聞かれれば、もちろん汗だくで「美味しかったよ」と笑顔で返すのが礼儀だ。

出口のドアをあけると、ガランガランとどこで買ったのかわからないようなドア専用であろうベルのけたたましい音が店の中と外の歩道の一部をひとつにした。